赤字の場合でも確定申告は必要?必要な理由やメリットについて解説

赤字の場合は確定申告の義務はありません。しかし、赤字でも確定申告を行うことで節税につながることがあるなどのメリットがあるため、そうした知識を事前に把握しておくことが大切です。今回は、赤字の場合に確定申告が不要な理由、無申告による影響や申告を行うメリットを解説します。

 

赤字の場合は確定申告不要

赤字の場合に申告が不要な理由について解説します。

・確定申告の義務がない理由

確定申告はその年に発生した利益を確定し、国や地方自治体に申告するものです。利益に対して発生する税金を明らかにすることが主な目的となります。

一部の税金を除けば、税金は発生した利益に課せられます。つまり、利益が出なければ税金は発生しないので申告は不要です。但し、赤字を証明出来なければなりません。

・帳簿付けや領収書の保管は必要

申告の必要がない場合でも、税務調査が行われる際には帳簿や領収書などで赤字の証明が必要です。

証明できないと無申告加算税や延滞税などが課せられる場合があるため、注意しましょう。

 

確定申告の無申告による影響

確定申告を申告しない場合の影響は以下の通りです。

・各種ローンが組めない

ローンを組む際には、ほとんどの場合で所得証明が必要になります。個人事業主の場合は数年分の確定申告書類の提出を求められることがあるため、申告をしていないとその年の所得を証明できなくなり、ローンを組むことが困難になります。

また、事業資金の融資を受ける際にも所得の証明が必要になります。無申告の年があると、それを理由に融資を断られる要因にもなりかねません。

現在は問題がなくても、数年後にローンや融資が受けづらくなるため、申告を行いましょう。

・国民健康保険料が高くなる

個人事業主では、ほとんどの方が国民健康保険加入しています。国民健康保険料は赤字状態などで無所得であれば保険料の軽減措置を受けられます。

しかし、確定申告をしない場合、無申告扱いとなるため所得証明書を発行してもらえず、無所得を証明できません。そのため、保険料の優遇が受けられず、結果的に保険料が高くなります。

・非課税証明書が発行できない

無申告の場合、住民税が課税されていないことを証明する「非課税証明書」の発行ができません。非課税証明書は、児童手当の申請、保育園の入園申請などで使用する書類です。

現在は関係なくても、数年後に子供が生まれた場合などに役立つ書類となるため、忘れずに確定申告を行いましょう。

 

赤字で確定申告を行った場合のメリット

赤字の場合に確定申告を行うメリットは以下の通りです。

・損益通算が可能

事業以外に、副業などで収入が発生している場合には、損益通算を行えます。損益通算は黒字の所得から赤字分の損失を差し引くことで、差し引いた後の金額をその年の所得金額とします。

申告する所得が減少するため、節税することが可能です。

・繰越控除ができる

損益通算を行っても赤字がある場合、今年発生した損失を翌年以降に繰り越し、翌年以降に発生した黒字と相殺できます。期間は最大3年間となるものの赤字分を継続して繰り越せるため、税金を安くできます。

しかし、以下の損失申告に関しては、青色申告を行う場合のみ繰り越すことが可能です。

  • 株式等に係る譲渡損失
  •  純損失
  •  先物取引・FXに係る損失

白色と青色で申告できる損失が異なるため注意しましょう。

・繰戻還付ができる

繰戻還付は本年の赤字を、前年度の黒字と相殺することです。この制度では、前年度に支払っていた黒字分の税金を還付金という形で、返還してもらうことなります。

繰越控除と繰戻還付は同時に行えないため、どちらの制度を利用するかは慎重に判断しましょう。