不動産担保の種類。登記情報をご紹介
不動産を担保に入れて借り入れをする際には、設定する不動産に抵当権などの設定登記を行う必要があります。今回は、登記に関する情報や、不動産担保の種類についてご紹介します。
不動産担保の種類
担保には、大きく分けて人的担保と物的担保の2種類があります。人的担保とは、保証人や連帯債務者など、人の資力が担保になるものを指します。物的担保とは、質権や抵当権など、物を担保にすることです。不動産担保は、物的担保のひとつです。
不動産担保はさらに、抵当権と根抵当権に分かれます。
◇抵当権
抵当権とは、担保の現金化が実行されたときに、他の債権者よりも優先してその担保からの返済が受けられる権利のことです。
◇根抵当権
根抵当権も抵当権と同じ性質を持ちますが、一定額の「枠」を担保として設定しているという点に違いがあります。これはカードローンをイメージすると分かりやすいかもしれません。特定の債権のみではなく、極度額の中で何度も借り入れを行うようなときに、根抵当権が使われます。
不動産担保の登記情報
不動産に担保を設定したとき、登記情報はどのようになるのでしょうか。まずは、基本的に不動産登記に記載されている情報からみていきましょう。不動産登記は、土地と建物の登記に分かれています。また、大きく分けると、表題部と権利部の表記に分かれます。
◇表題部
表題部には、その不動産の基本情報が記載されています。
・不動産が実際にある場所を示した「所在」
・建物であれば「家屋番号」
・居宅、住宅などの「不動産の種類」
・その不動産の床面積
また、付属する建物がある場合は、その情報についても記載されます。
◇権利部
不動産担保で重要となるのが、この権利部の部分です。権利部は「甲区」と「乙区」に分かれています。所有権に関する事項が記載されているのが甲区、その他の所有権以外の権利が記載されるのが乙区です。抵当権や根抵当権は、乙区に記載されることになります。
権利部の箇所には以下の情報が記載されます。
・登記の目的:抵当権であれば、抵当権設定など
・受け付けられた年月日と受け付け番号
・権利者や債権の内容などの情報
抵当権などの場合は、債権額や利息、遅延損害金の設定などの債権の基本情報の他、債務者が誰なのか、抵当権者が誰なのかといった情報に加え、共同担保がある場合にはその情報もこの欄に記載されます。
また、順位も記載されるため、不動産登記を取得すると、いつ誰が抵当権を設定しているのかが一目瞭然です。
登記情報を見るには
不動産担保を既に設定しており、さらに二番抵当権などを設定したい場合など、不動産登記情報を見たいというときの取得方法には3つの方法があります。なお、不動産登記は所有者などの権利者に限らず、誰でも見ることができます。
◇法務局
もっとも簡単な方法が、最寄りの法務局で手続きをすることです。登記情報のオンライン化が進んだことで、全国の法務局で登記情報を見ることができるようになりました。ちなみに、謄本や登記事項証明書を取得するには、印紙を貼らなければなりません。無料で取得することはできないので注意が必要です。
◇郵送で取り寄せる
近くに法務局がない場合や、なかなか行くことができない場合には、郵送で取り寄せる手続きが可能です。法務局のホームページなどに申請書も載っていますので、必要事項を記載し、切手を貼った返信用封筒と収入印紙を同封して手続きを行いましょう。
◇オンライン
オンラインで登記情報を取り寄せることも可能です。但し、事前に登録が必要です。こちらも取得するには料金が発生しますが、すぐに閲覧ができるため、急ぎの場合は特によい方法です。
不動産担保には、抵当権と根抵当権という種類がありました。目的の不動産にこれらの不動産担保権が設定されているかどうかについては、登記簿謄本や登記事項証明書を閲覧することで確認できます。