【最新版】住宅ローン借り換えのベストなタイミングは?メリットや注意点を解説
返済の負担を軽減するための方法の一つとして、住宅ローンの借り換えは効果的な選択肢だといえます。しかし、人によってはベストといえるタイミングが複数ある点を知らないケースもあるのではないでしょうか。
実際に、タイミングを誤ってしまうことによって返済額が異なるケースもあるといえます。本記事では、借り換え検討中の方向けに住宅ローンの借り換えのベストなタイミングやメリット・デメリット、借り換え時の注意点について解説します。
住宅ローン借り換えを検討すべきベストなタイミング

ここでは、住宅ローンの見直しのタイミングについてみていきましょう。
借入時より現在の住宅ローンの金利が高くなった時
変動金利型の住宅ローンを契約している場合、定期的に金利が見直される時期があります。契約内容や金利タイプで異なるものの、金利が高くなるケースも想定されます。金利が高くなった場合、返済金額も増加する点は知っておきましょう。
転職を検討している時
勤続年数は住宅ローン審査において重要な項目であり、勤続年数が短いと審査に通りづらくなります。借り換え時は審査基準が厳しいため、審査に通りやすくするためにも転職前の乗り換えを推奨します。
金利水準が借り入れ時より低くなっている時
自分の住宅ローン金利よりも現在の金利水準が下がっているタイミングでは、借り換えを検討しやすいといえるでしょう。全期間固定金利の場合、融資の実行時に金利が決定し、その後支払う金利は変わりません。
しかし、全期間固定金利を選択した方でも、借り入れ時より金利水準が下がっていれば借り換えを検討しましょう。
住宅ローンの金利相場を解説!自分に合った金融機関をお得に選ぶ方法を紹介
固定金利特約期間が終わった時
固定金利選択型のローンでは当初の固定金利期間が終了した場合、金利の優遇が縮小されるか、なくなるため、住宅ローンの金利が上昇するケースもあります。
金融機関から当初の金利よりも引きあがるという通知があった際には、借り換えを検討するタイミングだといえます。
ローン残高が1,000万円以上で返済期間が10年以上残っている時
住宅ローンの借り換えを行うタイミングでは、残高が多いほど金利の影響が大きく、借り換えで総返済額を減少することが可能です。
また、返済期間が残り10年未満である場合には、返済額に対する元金の割合が高くなり、住宅ローン控除の適用要件から外れる点は知っておきましょう。そのうえで、現在の金利と借り換え後との金利差が1%以上あればメリットが期待できるとされています。
そのため、借り換えを検討する時はローン残高1,000万円以上、返済期間が10年以上、金利差1%以上あるかどうか確認することが大切です。
住宅ローン借り換え後に控除を受けられる借り換えタイミング

住宅ローン控除は高い節税効果が期待できる減税制度です。しかし、ローンの借り換えそのものは原則として、住宅ローン控除の対象になりません。そのうえで、以下の要件を満たせば控除を受けることが可能です。
- 目的が住宅ローン返済のための借入金
- 返済期間が10年以上
- 合計所得が2,000万円以下
住宅ローン控除の適用期間は居住を開始した時点からとなるため、借り換え後も期間は延長されない点は把握しておきましょう。
住宅ローン借り換えを検討したほうがいい人

月々の返済の負担が大きい、リフォームを予定している方は住宅ローンの借り換えを検討しましょう。
月々の返済の負担が大きいと感じる
現在の返済の負担が大きい、返済内容が家計の状態にあっていない場合は借り換えを推奨します。借り換えの実施で、ボーナス返済の金額や返済期間を調整可能です。また、利息負担や月々の返済額を軽減できる可能性もあります。
リフォームを予定している
リフォームローンは、住宅ローンよりも金利が高めに設定されている傾向です。リフォームを行う予定がある場合、リフォーム費用も含まれる住宅ローンに借り換えることで、支払総額を抑えられることもあります。
住宅ローン借り換えのメリット

住宅ローンを借り換えるメリットをみていきましょう。とくに、返済額の減少に効果が期待できる場合は、借り換えによってライフプランも変わる可能性があります。
金利タイプを変更できる
借り換えによって、現在の金利タイプとは異なるタイプへ変更可能です。例えば、全期間固定金利に切り替えれば、金利上昇のリスクを回避できます。変動金利に切り替えれば、金利が下がり返済額を抑えられる可能性があります。
経済状況などを踏まえて、自分に適した金利プランを選択しましょう。
返済額を減らせる
総返済額を減少できるのは最大のメリットだといえます。契約内容によっては、返済期間を短縮できることに加え、金利差が1%以上ある場合は、経済的な負担を減らすことも可能です。
団体信用生命保険の内容を見直せる
団体信用生命保険の契約内容に関しては、基本的には返済期間中に変更できません。しかし、借り換えの手続きを行った場合、補償内容を見直せます。そのため、借り換え契約のタイミングでは、より自分に適した内容の保険に切り替えることが可能です。
ただし、団体信用生命保険によっては、住宅ローン金利が現在よりも上昇する可能性があるため注意しましょう。
住宅ローン借り換えのデメリット

ここからは、住宅ローンの借り換えによるデメリットをみていきます。とくに手続きまでに時間を要する、入念なシミュレーションを行わなければ、総返済額が増加する可能性がある点を知っておきましょう。
諸費用が必要で、手続きが大変
住宅ローンの借り換え時には、事務取扱手数料や保証料などの諸費用がかかります。金融機関によって異なるものの、一般的に数十万程度の費用がかかるため、減額につながるのか慎重に検討しましょう。
また、借り換えには審査が必要です。審査に必要な書類の準備に手間がかかるだけでなく、仮審査や本審査の結果が出るまでには時間がかかります。仮に審査に落ちた場合は、再度書類などを準備するだけでなく、申込みを見直す必要があります。
借り換え前よりも総返済額が増加する可能性がある
借り換えた直後は、借り換え前より金利が低くなったとしても、将来的な金利や経済情勢がどうなるかは予測できません。結果として、総返済額が増加する可能性があります。
住宅ローン借り換え時の注意点

借り換え時の注意点をみていきましょう。
返済額がそれほど抑えられない場合がある
借り換えを行う場合、現在の金融機関よりも金利が低い所を利用すれば、総返済額が減らせると想定できます。しかし、金融機関ごとに契約内容や諸費用の金額が異なるため、返済額が想定していたよりも抑えられない場合もあります。そのため、必ず複数の金融機関で比較しましょう。
審査に落ちる場合がある
最初に住宅ローンを組んだ段階で収入や健康状態などに問題がなかった場合でも、借り換え時に転職による収入の低下や健康状態が悪化するケースもあります。その場合は、審査に通りづらくなるといえます。
また、借り換えでは、他のローンの借り入れも評価対象となるため、仮に滞納や延滞をしていた場合も審査に落ちやすくなるでしょう。
住宅ローン控除から外れてしまう可能性がある
住宅ローンの借入に関する特別控除を受ける際は、多くの場合は借入期間の長さなどが決まっています。したがって、借り換えを行った場合、返済期間が短縮されることで控除から外れてしまう可能性もあります。
住宅ローン借り換え時期の見極めにはシミュレーションで確認を

借り換え時期の見極めに失敗した場合、借り換え前よりも負担が大きくなってしまうため、借り換え前に事前のシミュレーションを行うことが重要です。ここからは、具体的な数字を用いて、どの程度のメリットが得られるかシミュレーションの事例をみていきます。
借入前と借入後の共通条件は次の通りです。
- ローン残高:1,500万円
- 借入期間:20年
- 返済方法:元利均等
- ボーナス払いなし
- 金利変動なし
借入金利年2.5%から年1.5%に借り換える場合
(借り換え前)
- 総返済額:19,076,358円
- 毎年の返済額:953,820円
- 毎月の返済額:79,485円
(借り換え後)
- 総返済額:17,378,917円 (借り換え諸費用総額は512,000円)
借入前との差額:-1,185,441円
- 毎年の返済額:868,572 円
借入前との差額:-85,248円 - 毎月の返済額:72,381 円
借入前との差額:-7,104円
今回のシミュレーションでは、借り換え前後の金利差が1%となっています。借り換え後の諸費用を含めた場合でも、100万円以上も支払額が減少しました。借入前と借入後の金利差が大きいほどメリットが大きくなるといえるでしょう。
ローン残高と返済年数が少ないほど支払金額の減少が少なく、メリットが得づらくなっていくため、シミュレーションを活用したうえで借り換えに適した時期を見極めることが大切です。
ニチデンでの住宅ローン借り換え事例
現在の不動産担保ローンの金利が高く、低金利の不動産担保ローンに切り換えたケース
会社員(41歳) 年収700万円
不動産担保ローン 750万円 金利15%
現在支払っている不動産担保ローンの金利が高いため、不動産ローンの借り換えに相談に来られました。相談の結果、金利が8.03%の借り換えに成功しました。

https://everyone-taiyou.com/story.cgi
https://www.asax.co.jp/case/?id=1685603572-466840
借り換えは自分にあったベストなタイミングで

住宅ローンの借り換えには、返済額を減らせるといったメリットがあります。しかし、再度審査が必要になるなど時間や手間がかかります。
借り換えを行った場合であっても、返済額を抑えられないケースもあるため、借り換えを行う金融機関ごとの違いを比較・検討することが大切です。今回、解説した内容を参考にしつつ、自分に適したタイミングで借り換えを行いましょう。