カードローンやクレジットカードのキャッシングでは、返済が支払期限までに行えなかった場合、遅延損害金が発生します。
遅延損害金が発生すると、支払う金額が増え、利息も高くなります。また、延滞が長期化すると信用情報に傷がつき、将来的にローンやクレジット契約が組めなくなるリスクもあります。
本記事では、遅延損害金の基本知識やリスク、「いつから発生するのか」といった起算日、発生を防ぐための対処法について解説します。
遅延損害金は借入をはじめとした金銭の債務がある場合、債務者が約定通りに支払わなかったときに生じる損害賠償金です。契約違反の損害賠償金といえます。また、債務整理や自己破産の対象となる点は知っておきましょう。
ここでは、遅延損害金がいつから発生するのかをみていきましょう。
支払期限が明確に定められている場合、その翌日から遅延損害金が発生します。たとえば、返済期日が5月31日であれば、6月1日から発生します。
カードローンやクレジットカードの利用では、通常、支払期日が明示されています。
個人間の貸し借りなどで支払期日の取り決めがない場合は、「返済を請求された日」が支払期日とみなされ、その翌日から遅延損害金が発生します。
「◯月◯日までに返してほしい」といった合意が成立した日を基準としましょう。
交通事故や事件などの不法行為による損害賠償では、不法行為が発生した日から遅延損害金が発生します。請求日ではなく、事案の発生日に注意しましょう。
遅延損害金の額は、以下の計算式を用いることで計算できます。
・借入残高×遅延損害利率(年)×遅延日数/365日
一例として、借入残高が10万円で遅延損害利率が20%の状態で、1カ月延滞してしまった場合の計算は以下のようになります。
・10万円×20%×30日/365日=1,643.83・・ 遅延損害金 1,643円
遅延損害金の支払いにあたっては、実際に自分で計算する必要がなく、会員ページや利用明細書、サポートセンターへの電話などで確認できます。
ここでは、遅延損害金が発生すると起こりうるリスクをみていきましょう。とくに返済が長引くほど信用情報にマイナスの影響がある点に注意が必要です。
遅延期間が長引くほど、損害金は増加し続けます。遅延利率は通常の利率より高いため、放置するほど返済負担が重くなります。返済が厳しくなる前に、早めに借入先の金融機関などに相談したほうがよいでしょう。
遅延損害金を含む返済が2~3カ月滞った場合には、信用情報機関に事故情報(延滞情報)が登録されます。情報が登録されると、以下のような不利益が生じる恐れがあります。
・新規の借入ができない
・ローン、クレジットカードの審査に通らない
・携帯電話の分割購入ができない
借金を返済しない限り、事故情報は残り続けてしまいます。返済が難しい場合、弁護士に相談して債務整理を行う方法も検討しましょう。
長期延滞が続くと、債権者から支払督促や訴訟を起こされる場合があります。判決が出た場合には、強制執行により預金・給与・不動産が差し押さえられる可能性もあります。
滞納を放置せず、早期の相談・対応を行いましょう。
遅延損害金の発生は、返済額の増加だけでなく、信用情報の悪化や法的措置につながる可能性があります。しかし、対策を行うことで遅延損害金が発生する状況を避けやすくなります。
ここでは、遅延損害金を避けるための対処法をみていきましょう。
スケジュール管理アプリやメモなどを使い、返済日を管理することが重要です。遅延損害金は発生したタイミングで、短期間でも信用情報機関に事故情報が登録されるリスクがあるためです。
また、複数の借入がある場合、返済や返済日がばらばらだと支払い忘れが起きやすくなると予想されるため、返済日や返済方法を一緒にするといった工夫を行いましょう。
返済が難しい場合、滞納する前に事前に借入先に相談することが大切です。遅延損害金が発生した後では、相談も困難になります。相談によって、返済日の延長や返済プランの見直しをしてくれるケースもあります。
滞納前に支払意思があること示すためにも、できるだけ早いタイミングで借入先に返済の相談を行いましょう。
複数の借入がある場合は、返済の一本化を検討しましょう。おまとめローンの利用や借換によって、複数社からの借入を一つにまとめることが可能です。借入を一本化すると次のようなメリットがあります。
・他の借入先の借金が完済扱いになる
・個別の返済が必要なくなるため、返済の手間を減らせる
・返済金額やスケジュールを管理しやすくなる
・現在返済している借入先より金利が低いローンを選んだ場合、利息負担や月々の返済額を減らせる場合がある
金融機関によっては他社からの借入が契約違反とみなされるケースがあります。契約違反とみなされると残金の一括返済を求められることがあるため、一本化する前に各社の契約内容を確認しておきましょう。
手元に資金があっても支払い忘れがあると遅延損害金が発生します。確実な支払いのために、口座自動引き落としの設定を活用しましょう。
返済が厳しいと感じている方は、次の記事もご覧ください。
内部リンク:返済が楽に!不動産担保ローンの魅力
ここでは、損害金に関するよくある質問をみていきましょう。
遅延損害金は1日遅れただけでも発生します。たとえば、5月31日が支払日である場合、6月1日から発生します。
また、不法行為による損害賠償では、不法行為の日(損害発生日)から遅延損害金が発生することは覚えておきましょう。
原則として支払う必要があるものの、債務整理を行うと減額してもらえる可能性があります。また、債権者との交渉次第では、支払期限の延長や元金のみの返済となるケースもあります。
しかし、遅延損害金の減額や免除は例外的なケースであり、債権者の同意が前提です。とくに債務者自身での交渉は、困難であるため、早めに弁護士に相談しましょう。
支払わずに無視し続けた場合、信用情報機関に事故情報が記載されるリスクがあります。また、長期間にわたって遅延損害金を支払えなければ、債権者が支払督促や訴訟の提起など法的措置を行うケースもあるでしょう。
仮に、裁判所の決定を無視・対応しなければ、強制執行による財産の差し押さえが行われます。事態を悪化させないためにも借入先と連絡を取り、誠意ある対応を示しながら、返済意思があることを伝えましょう。
遅延損害金は支払い期日の翌日から発生するため、返済せずに放置すれば、支払金額は多くなっていきます。返済できる場合は早めに返済しましょう。返済が困難な状況であれば、滞納前に借入先に相談することが大切です。
滞納が長期化すると、信用情報機関に事故情報が記載され、強制執行が行われ財産が差し押さえられるリスクがあります。遅延損害金が発生しないためにも、複数の借入を一本化したり、口座引き落としを利用したりするといった対処法を行いましょう。
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