住宅ローンは何歳まで組める?申込・完済年齢の制限と安心して返済するためのポイントを解説

住宅ローンは何歳まで組める?申込・完済年齢の制限と安心して返済するためのポイントを解説

住宅ローンは、比較的高額な借入を行うケースが多いといえるものです。しかし、何歳までローンが組めるのか、どのタイミングで組めば良いか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。実際に、住宅ローンを組む際には、何歳までに返済できるのかといった綿密な返済計画も必要です。

本記事では、住宅ローンを組む平均年齢と理想の完済時期、住宅ローンを組むためのポイントなどをみていきましょう。これから住宅ローンを組む方やご検討中の方は、参考にしてみてください。

住宅ローンの契約における2つの年齢制限とは?

ここでは、住宅ローンの契約における2つの年齢制限についてみていきましょう。「申込時年齢」と「完済時年齢」には、どちらも制限がある点は把握しておく必要があります。

申込時に定められている「申込時年齢」

金融機関によって違いはあるものの、民間金融機関が提供している申込時年齢の目安は、満18歳~70歳未満です。一部の金融機関においては、18歳からローンの申込を行えます。

しかし、審査では安定した収入が求められることから、高校卒業直後に住宅ローンを組むのは困難だと予想されます。

返済完了時の「完済時年齢」

完済時年齢に関しては、80歳未満に設定されているケースが一般的です。たとえば、30歳の段階ではローンが組めたとしても、50歳では35年ローンは難しいというケースも少なくありません。

また、銀行は完済時年齢を設けているものの、消費者金融は設けていないケースもあるため、条件はよく確認しましょう。

住宅ローンを組む平均年齢と理想の完済時期

ここでは、住宅ローンを組む平均年齢と理想の完済時期をみていきます。とくに、完済時期に関しては、ライフスタイルにも影響を与えるため、無理のない返済計画が重要です。

住宅ローンを組む平均年齢は上昇傾向の40代

住宅支援機構が公表している「2024年度 フラット35利用者調査」では、住宅ローンを組む人の平均年齢は44.5歳です。10年前の2014年度の平均年齢40.4歳に比べ、借入時の年齢が上昇しています。

定年年齢の引き上げにより、45~50歳以上で住宅ローンを組む人が増加傾向にある点が影響しています。ただし、40代というのはあくまでも指標の一つであるため、ライフプランに合ったローンを組みましょう。

理想の完済時期は定年を迎える65歳まで

完済時の年齢の目安としては、65歳までに住宅ローンを完済できるような計画を立てましょう。現在、日本では、少子高齢化の進行に伴い70歳まで就業機会を確保できるように政府が取り組んでいる段階です。

しかし、65歳で定年を迎える企業が多くあります。定年後は働き方が変わるだけでなく、定年前と比較して収入が減少する可能性が高いと予想されます。そのため、自分の現在の収入、定年後の支払いも考慮したうえで、確実に完済できる計画を立てましょう。

年齢が住宅ローン審査に与える影響

ここでは、年齢が住宅ローン審査に与える影響をみていきましょう。とくに返済期間と返済能力は審査に大きな影響があります。

審査では「申込時年齢」が重視される

住宅ローンの審査では、申込時年齢が重視されます。申込時年齢が高齢となった場合には、自分が希望する金額を借入できない場合があることは把握しておきましょう。

借入可能な返済期間が短くなる

申込時年齢が高くなればなるほど、返済期間は短くなります。返済期間が短くなれば、年収に対する返済負担率(返済額の割合)が上昇します。返済負担率が上昇すると審査が厳しくなる可能性があるため、注意しましょう。

健康状態によっては団信に加入できない

民間の金融機関の住宅ローンに申し込む場合、団信への加入が原則必須となります。団信は契約者が死亡・高度障害などになり、返済を行えなくなった場合に保険会社から金融機関に保険金が支払われ、ローンが完済される制度です。

年齢が高くなるほど健康状態が悪化するリスクが高くなります。そのため、高齢になってから住宅ローンへ申し込むと団信に加入できないリスクもある点は知っておきましょう。

年代別にみる住宅ローンを組む際の注意点

ここでは、年齢別にみる住宅ローンを組む際の注意点を解説します。

30代:将来の教育費と返済の両立を計画する

30代の場合は、他の年代と比較すると自己資金比率は低くなるものの、住宅ローンの借入期間を長く設定できます。借入期間が長いほど、毎月の返済額を抑えることが可能です。

子どもがいる場合は、教育費の負担が重くなっていく年代でもあるため、将来の教育費とローン返済を両立できるように計画しましょう。

40代:頭金を活用して定年までの完済を目指す

40代後半は、完済までの期間が短くなります。そのため、頭金なしのフルローンでは返済負担率が高まり、審査が厳しくなるケースも多いといえるでしょう。

また、退職時の住宅ローン残高を少なくするためには頭金の活用を検討することも重要です。仮に、頭金を入れて借入額を抑えれば、毎月の返済額を抑えられ、支払う利息も減少します。

しかし、40代で子どもがいるパターンでは、教育費の負荷が大きく、手元に資金をできるだけ残したいケースも予想されます。そのため、頭金をどの程度入れるかは、家計のバランスを考慮し判断しましょう。

50代以降:退職金と老後資金のバランスを考える

50代以降であれば、勤続年数が長く、30代と比較して年収が高めと予想されることから、頭金を十分に確保できる傾向です。そのため、審査で有利になります。しかし、借入期間が短くなるため、希望額を借りられない可能性があることは把握しておきましょう。

50代から住宅ローンを借り入れる場合、退職金で繰り上げ返済をするかどうか、繰り上げ返済後の老後の生活を検討する必要があります。また、退職金を使わずに返済期間が長くなった場合、繰り上げ返済をした場合よりも総返済額が増加するため、老後資金が不足しないように返済計画を立てることが大切です。

年齢の不安を解消して住宅ローンを組むためのポイント

ここでは、年齢の不安を解消して住宅ローンを組むためのポイントをみていきましょう。とくに、借入額が少ないほどローンによる収入の不安は軽減されるため、頭金の用意は重要です。

ポイント1:頭金を多く用意して借入額を減らす

頭金を多く用意すれば、借入額は減少します。また、年齢が高くても審査に通りやすく、月々の返済額を減らすことが可能です。

ポイント2:繰り上げ返済を積極的に活用し総返済額を圧縮する

繰り上げ返済を積極的に活用すると、返済総額を圧縮できるものの、まとまった額の支出となります。繰り上げ返済を検討する場合は、シミュレーションを活用しつつ、問題なく返済できるか確認しましょう。

ポイント3:「親子リレーローン」や「ペアローン」を検討する

住宅ローンの場合、契約者だけでなく家族の力を借りながら返済していく方法があります。
たとえば、親子で返済を行う「親子リレーローン」、親子や夫婦で申し込む「ペアローン」などは代表的です。

親子リレーローンは1つの物件に対して親子で住宅ローンを組み、二世代にわたって返済する制度です。メリットは、一人で住宅ローンを組むよりも借入金額を増やすことが可能な点です。

親が高齢である場合でも、子の返済期間が加えられるため、返済期間を長く設定でき、月々の返済額を抑えることが可能です。また、親と子のそれぞれの持ち分に応じて住宅ローン控除を利用できるといったメリットがあります。

ペアローンは、一定の収入を得ている親子か夫婦それぞれが契約者として住宅ローンを組む方法です。夫婦で契約する場合は、夫と妻がそれぞれ住宅ローンを1つずつ契約し、お互いの連帯保証人となるケースが多い傾向です。

ペアローンのメリットは、次のようになります。
・自分一人の年収では希望する金額の借入ができない場合でも、十分な金額を借入できる可能性が高まる
・契約者はそれぞれ住宅ローン控除を利用できる

また、ペアローンは契約者それぞれが団信に加入できるため、死亡した契約者の残債を保険で完済できます。

住宅ローンを組むためのポイントについて詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
内部リンク:自分に合った住宅ローンの選び方とは?初心者でもわかる金利や制度について

ライフプランに合わせた無理のない返済計画が重要

住宅ローンの申込年齢は満18~70歳未満で、完済時の年齢の上限は80歳に設定されることが一般的です。借入を実施する金融機関の種類によって、年齢の上限が違うため、ローンの条件はよく確認しましょう。

また、住宅ローンは借入額や返済期間などを考慮しつつ、十分にシミュレーションを行って返済計画を立てる必要があります。とくに、年齢に対して考えられるライフイベントにも対策しつつ、無理のない返済計画を立てることが大切です。

ニチデン スタッフ

SEARCH

CATEGORY

GROUP

よく読まれている記事

KEYWORD