不動産担保ローンのデメリットとメリットとは?活用例、利用の流れについても解説!
不動産担保ローンでは、不動産を担保としてお金を借りられます。そのため、不動産を保有していれば、資金調達の手段の一つとして検討できます。しかし、メリット・デメリットがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、不動産担保ローンの概要にふれたうえで、利用する際のメリット・デメリットなどについてみていきます。
不動産担保ローンを利用するデメリット

ここでは、不動産担保ローンを利用するデメリットについて解説します。とくに、返済できなかった場合、担保した不動産を失うことになるため、把握したうえで利用しましょう。
利息以外にも諸費用が発生する
不動産担保ローンでは利息以外にも、事務手数料、登記費用、印紙代などの諸費用が発生します。借入時に諸費用が発生しない資金調達方法と比較した場合は、デメリットといえるでしょう。
担保にできる不動産が必要
不動産担保ローンで担保にできる不動産は、資産価値があり売却できる不動産です。そのため、売却しにくい土地や建物は、担保としての役割を果たすことができません。金融機関に担保としての価値がない不動産と判断された場合、審査に通ることが難しくなります。
返済できなければ担保を売却する必要がある
不動産担保ローンで資金を調達した場合、返済できれば担保設定が解除されるため、問題はありませんが、返済が滞ってしまうと担保にした土地や建物は、売却して返済に充当することがあります。
手続きに時間がかかる
不動産担保ローンでは、利用者と不動産を審査する必要があるため、無担保ローンと比較すると手続きに時間がかかります。早くても申請から融資まで1週間程度、長い場合には1ヶ月以上かかるケースもある点は知っておきましょう。すぐに資金が必要な場合は、他の方法を選択する必要があります。
価値が低い不動産は担保にできない場合がある
老朽化した建物は、資産価値が低い不動産となるため、担保としての価値が低いといえます。そのため、担保にできないケースも少なくありません。また、担保にできても契約後に不動産の価値が下がると、追加担保を請求される場合がある点は知っておきましょう。
住宅ローン返済中は利用できない場合がある
個人で不動産担保ローンを借りる場合、返済が可能な年収かどうかを判断されます。住宅ローンなども含めた返済額で判断されるため、年収によっては借り入れができない点はデメリットです。
また、住宅ローンで抵当権を設定している不動産を担保とする際は、審査が厳しくなるため、担保余力の有無も把握しておく必要があります。
住宅ローン返済中の追加融資について詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
内部リンク:住宅ローンの返済中でも追加融資はできる?認められるケースについて解説
不動産担保ローンを利用するメリット

不動産担保ローンを利用する場合のメリットについて詳しくみていきましょう。高額な融資が期待できる点や長期返済が可能な点は、魅力的なメリットです。
高額な融資を受けられる
不動産担保ローンは、保証付き融資や無担保での融資と比較した場合、所有する不動産の価値が高ければ高いほど、高額の融資を受けることが可能です。法人の場合、事業拡大のタイミングなどで多額の資金がかかるため、高額融資を受けられる可能性がある点はメリットです。
長期での返済が可能
基本的に銀行融資は1年の短期的な融資となるケースが多く、ビジネスローンも最長5年であるため、長期での返済は不可能です。しかし、不動産担保ローンでは20年など長期の返済が可能となるケースもあるため、高額な融資を受けたとしても返済計画が立てやすいといえるでしょう。
ビジネスローンよりも低金利で利用できる
不動産担保ローンは、無担保のビジネスローンよりも低金利で利用可能です。業績の良し悪しに関係なく、好条件で借り入れができる可能性があります。そのため、法人が資金調達する際には有効な手段の一つとなります。
資金使途の自由度が高い
不動産担保ローンは、多くの場合、資金使途を制限しません。社内教育の資金や事業資金といったさまざまな用途に使用可能です。しかし、個人と法人向けでは、資金使途の自由度が異なる金融機関があります。そのため、利用を検討している金融機関に確認しましょう。
連帯保証人が不要
債務者が自分で不動産を用意できる場合、保証人が不要となるケースが多いといえます。理由として、担保とする不動産の価値が高く、ローン分をカバーできれば、債務者が自分自身で責任を負うことができるためです。そのため、連帯保証人は不要です。
不動産担保ローンの利用までの流れ

不動産担保ローンを契約する際に必要となる書類は次のとおりです。
- 運転免許症やパスポートなどの本人確認書類
- 源泉徴収票や確定申告書など収入を証明できる書類
- 住民票
- 納税証明書
- 固定資産税の納税証明書
- 借入残高を確認できる書類
金融機関によって必要書類が異なる場合があるため、申し込む前に事前に確認しておきましょう。
不動産担保ローンの必要書類について詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
内部リンク:不動産担保ローンの必要書類|スムーズな融資を受けるための事前確認 | ニチデン
不動産担保ローンの主な活用例とは

ここからは、不動産担保ローンの活用例をみていきましょう。用途が比較的自由であるため、目的を考慮しながら活用することが大切です。
開業資金
不動産担保ローンは、利用者の信用情報や不動産の価値、事業の将来性までを加味した総合的な判断で融資を行います。そのため、店舗の開業資金として活用可能です。
資金調達
高額な融資を長期間にわたって借り入れできるため、月々の返済額を抑えながら資金を調達可能です。キャッシュフローを安定させる目的でも使用できます。
運転資金・納税資金
事業を行う際に、社会保険料・厚生年金保険料の納付などまとまった資金が必要な場面は多くあります。運転資金や納税資金が厳しい場合、不動産担保ローンを利用して資金繰りを行い、後から返済することも可能です。
設備投資
設備や広告などへの投資によって、収益を増加できる可能性があります。多くの資金を調達したい、資金がないものの投資時期を見逃したくないと考える場合、事業に必要な融資を受けられる可能性があります。
おまとめローン
おまとめローンとして利用すれば、複数のローンを一本化でき、返済の管理を楽に行えます。また、金利が低く長期間にわたって借りられるため、月々の返済額が減少するケースもあるため、状況に合わせて利用しましょう。
不動産担保ローンの申し込み時にかかる費用はどれくらいなのか

ここでは、不動産担保ローンの申し込み時にかかる費用をみていきます。
事務手数料
融資を受ける際の事務手数料に関しては、融資金額の1~3%程度と設定されているケースが多くなっています。また、不動産担保ローンは金銭消費貸借証書で契約するため、次のように借入額に応じた収入印紙を貼らなければなりません。
収入印紙代相当額
10万円以下 | 200円 |
10万円超え~50万円以下 | 400円 |
50万円超え~100万円以下 | 1,000円 |
100万円超え~500万円未以下 | 2,000円 |
500万円超え~1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超え~5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超え~1億円以下 | 6万円 |
1億円超え~5億円以下 | 10万円 |
5億円超え~10億円以下 | 20万円 |
10億円超え~50億円以下 | 40万円 |
50億円超え | 60万円 |
登記費用
不動産担保ローンを利用する場合、担保にする不動産に対して、抵当権や根抵当権の設定が必要です。抵当権や根抵当権の設定時は、司法書士に登記を依頼します。支払う報酬は司法書士により異なります。
不動産鑑定費用
金融機関によっては、担保不動産の価値を鑑定するための費用がかかります。不動産鑑定の費用は不動産の規模や価値により異なります。
不動産担保ローンのよくあるトラブル

不動産担保ローンでよくあるトラブルについてみていきましょう。
持っている不動産が担保にできない
担保とする不動産は、価値があるか事前に審査されます。再建築不可の土地などは、買い手がつかない不動産となる可能性があるため、担保評価の低いことが想定できます。どんな不動産でも担保にできるわけではないことを知っておきましょう。
追加の担保を求められた
不動産が担保となる融資においては、担保評価額の範囲内での融資が基本です。万が一返済が滞った場合、担保不動産を差し押さえ回収するため、評価額が返済額よりも高くなければ回収できません。
そのため、返済中に担保不動産の価値が下がった場合、金融機関から追加で担保を求められる場合があります。
途中解約違約金
不動産担保ローンを提供している金融機関のなかには、途中解約違約金を設定している金融機関があります。途中解約違約金を設定している金融機関の場合、繰り上げ返済や借り換えを行った際に違約金を支払わなければならないケースがある点に注意が必要です。
不動産担保にできる物件について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
※内部リンク設置:不動産担保にできる物件とは?
不動産担保ローン利用の注意点

ここでは、不動産担保ローンを利用するときの注意点をみていきましょう。土地や建物の価値を事前に把握し、綿密なシミュレーションを行っておくことが大切です。
不動産担保にする土地の価値を知っておく
担保不動産の価値が高ければ高いほど、高額の借り入れが可能です。仮に、価値が低ければ想定した金額の借り入れができない場合もあります。そのため、不動産担保ローンを利用するときは、事前に担保とする不動産の価値を把握しておきましょう。
調達したい目的や費用を明確にしておく
不動産担保ローンでは、目的や費用を考慮せずに借りられるだけ借りた場合、返済が困難になるケースがあります。そのため、資金を調達する目的や費用を明確にし、申し込む前に必要となる金額を把握しておくことが重要です。
初期費用を把握しておく
不動産担保ローンでは事務手数料や登記費用といったさまざまな初期費用がかかります。とくに事務手数料は、融資金額の○%のように定められているケースが多く、借入金額が多ければ数十万円かかるケースもあります。
不動産担保ローンを利用する場合は、初期費用も計算しておきましょう。
金融機関やノンバンクなど複数で比較する
金融機関ごとに金利や借入期間などに違いがあります。そのため、金融機関やノンバンクなど複数で比較を行いつつ、自分に合った会社にローンの申し込みを行いましょう。
失敗しない不動産担保ローン会社の選び方

ここからは、不動産担保ローン会社の選び方について解説していきます。条件や知識など優先順位をつけて比較することも大切です。
条件の良い会社
不動産担保ローン会社を選ぶ際には、借りる際の金利だけでなく、発生する諸費用を考慮してローンを選ぶことが重要です。また、会社によって、審査の厳しさや融資実行までの長さが異なります。適したローン会社を入念に検討しましょう。
豊富な知識・実績を持つ会社
融資ノウハウや実績のない金融機関を選んだ場合、ローンを借りた後にトラブルに巻き込まれる可能性があります。豊富な知識や融資実績が安心して利用できる会社かどうか事前に確認しましょう。
対応の良い会社
専属の担当者がつく、電話でサポートを受けられる会社もあります。対応が適切でない会社を選んでしまうとスムーズに契約できず、トラブルになるリスクもあります。ネットの口コミなどを調べつつ、対応の良い会社を選ぶようにしましょう。
不動産担保ローンは不動産価値を把握し目的に合わせて選ぶのがポイント

不動産担保ローンは、融資限度額が一般的なカードローンに比べて大きく設定されています。審査では、不動産の価値も審査対象となり、法人においては資金力や実績も審査のポイントとなります。
すぐに不動産担保ローンを利用したい場合は、選択肢の一つとして、次のニチデンの不動産担保ローンを検討してみましょう。
対象の不動産 | 土地・建物・マンション・ビル等、未登記・共有名義分・借地上の建物、収益物件第二順位以下も可 |
利息 | 実質年率/4.8~14.6%(ただし要審査) |
遅延損害 | 年率20.0% |
返済期間 | 20年以内(1~240ヶ月)/1~240回 |
返済方法 | 元金一括払・元利均等払、ボーナス併用返済・元金据置自由返済(要相談) |
対応エリア | 大阪・奈良・和歌山・滋賀・三重・京都・兵庫 |
そして、不動産担保ローンを利用する場合は、担保とする不動産の価値を把握し、目的に合わせて選ぶことが大切です。
監修者:K
貸金業務取扱主任者資格を持ち、日電社に営業担当として35年務めるKが、ローンなどに関する金融情報をご説明します。