住宅ローンの返済中でも追加融資はできる?認められるケースについて解説
住宅ローンの返済中の追加融資は、原則として認められていません。しかし、返済中でも追加融資を受けられる方法がないかと悩む方もいるのではないでしょうか。実際は、返済するローンの種類によって、追加融資を検討できるケースもあります。
今回は、住宅ローン返済中の追加融資が厳しい理由、追加融資を受ける方法をみていきましょう。
住宅ローン返済中の追加融資は厳しいの?

住宅ローン返済中の追加融資が厳しい理由についてみていきます。金額だけでなく、金融機関としてもリスクが増加すると判断される点は知っておきましょう。
住宅ローン返済中は原則として追加融資は認められない
原則として住宅ローン返済中の追加融資は認められていません。住宅ローンはマイホーム購入を目的としているため、購入する住宅を担保として融資を受けます。そのため、住宅購入後に追加融資を申し込んだとしても、追加融資を認めてもらうのは困難であるためです。
また、追加融資の審査はより多くの借入を行うことになるため、通常の住宅ローンの審査よりも厳しいといえるでしょう。
追加融資は返済のリスクが大きい
追加融資を受けた場合は、総返済額が大きくなるため、毎月の返済金額が増加します。そのため、再度ライフプランや毎月の返済比率などを計算しなければなりません。また、リスクが高まるため、金融機関の審査は厳しいといえるでしょう。
将来的に子どもの進学、事故や病気などで突発的にお金がかかる可能性があるため、慎重に返済計画を立てる必要があります。
住宅ローン返済中で追加融資を受ける場合はどうなる?

住宅ローン返済中にどうしても追加融資を受けたい場合、次のようなリスクがあることを知っておきましょう。
新たに審査を受ける必要がある
現在融資を受けている金融機関からの追加融資は、目的外での借入となるため、難しいといえます。そのため、別の金融機関で新たに審査を受ける必要があります。
ただし、すでに融資を受けている場合は抵当権が設定されているため、別の金融機関でも審査には通りにくいといえるでしょう。
新たな諸費用が発生する
追加融資は新たに住宅ローンを組むことになるため、次のような諸費用が発生します。
- 事務手数料
事務手数料は、住宅ローンを借り入れるための手数料です。定率型と定額型があります。定率型の事務手数料の相場は、融資額の2.2%(税込み)に設定している金融機関が多い傾向です。たとえば、融資額が3,000万円であれば、手数料は66万円となります。定率型の事務手数料は、保証料が不要となるケースが多い点はメリットといえるでしょう。
対して、定額型の場合は3~5万円程度の事務手数料を採用している金融機関が多くなっています。ただし、定率型よりも適用金利が高く設定されるケースがほとんどです。また、定額型では保証料が必要になる場合もあります。
- 保証料
保証料は、保証会社に保証人となってもらうために支払う費用です。保証料は融資実行時に一括前払いするか、金利に0.2%程度を上乗せして支払うケースが一般的です。
一括前払いでは、35年ローンで1,000万円あたり20万円程度が相場となります。
- 印紙税
印紙税は、金銭消費貸借契約書に貼付し納付します。税額は次のとおりです。
契約書記載の借入金額 | 印紙税 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 6万円 |
- 抵当権設定費用(登録免許税・司法書士への報酬)
抵当権設定に関しては、通常は司法書士に手続きの代行を依頼します。抵当権設定登記の登録免許税は、原則として融資金額の0.4%です。融資金額で変わるものの、登録免許税と司法書士への報酬を合わせた費用の相場は5~10万円程度です。
住宅ローンで融資を受けていても追加融資を受けられる方法

すでに融資を受けている場合でも、追加融資を受けられる可能性があります。ここでは、どのような方法で追加融資を受けられるのかについてみていきましょう。
リフォーム費用として住宅ローンに組み込んでもらう
リフォームを目的とした追加融資は、返済中の住宅ローンに組み込んでもらえる場合があります。その理由は、住宅ローンの資金使途としてリフォームも含まれているためです。
交渉次第では受け入れてもらえる可能性があるため、住宅ローンを借りている金融機関に相談してみましょう。
リフォームローンを利用する
追加融資を受ける方法として、リフォームローンを利用する方法があります。リフォームローンと住宅ローンの違いや特徴について解説します。
リフォームローンと住宅ローンとの違い
リフォームローンと住宅ローンの違いは以下のとおりです。
項目 | リフォームローン | 住宅ローン |
担保 | 不要の場合がある | 必要(自宅を担保として提供する) |
初期費用 | 基本的には不要(必要なローン商品もある) | 必要(抵当権設定費用など) |
借入限度額 | 10~1,000万円程度 | 100万~1億円程度 |
金利 | 約2~5% | 約1~2.5% |
審査と手続き | 審査期間は最短で数日 手続きは簡素 | 審査期間は最短でも1~2週間は必要 手続きは煩雑 |
借入期間 | 1~15年 | 最長で35年 |
リフォームローンの特徴は?
リフォームローンは次のような特徴や種類がある点を知っておきましょう。
- 無担保型
有担保型は抵当権設定が必要です。諸費用が高くなることに加え、審査に時間がかかります。しかし、無担保型と比較すると、借入限度額を高く設定できる点と返済期間を長く設定できる点がメリットです。
- 土地や車の購入には不可
リフォームローンは、リフォーム費用に充てる費用を借りるためのローンです。そのため、借入金を土地や車の購入費用に充てることはできません。
- 中古住宅でも利用可能
リフォームローンは中古住宅でも利用可能です。仮に中古住宅の購入費用が低く、短期間で返済できる場合は、無担保型のローンの利用を推奨します。
団体信用生命保険はどうなるの?
住宅ローンでは団体信用生命保険(団信)への加入が必須です。リフォームローンの場合、タイプによって加入不要、一定金額以上の借入は加入必須、加入するかどうかは選択に分けられます。
借り換えをする
リフォーム費用を含めた住宅ローンの借り換えで返済額は増加するものの、低金利ローンに切り替えることで返済額を抑えられるメリットがあります。
住宅ローン借り換えについて詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
内部リンク: https://www.nichidensya.co.jp/useful/loan/1681/
住宅ローン返済中で追加融資を受ける際の注意点は?

ここでは、どうしても追加融資を受けたい場合の注意点についてみていきましょう。
注文住宅の場合は予算を多めに組む
注文住宅の融資開始日は、建物の竣工日です。竣工日までに工事の着手代や更地購入などで想定外の費用が発生するケースがあります。また、工事中にオプション追加や工事内容が変化した際にも追加費用が発生するため、予算を多めに申請しましょう。
諸費用の負担が増えることも考える
ローンの借り換えを行う場合、改めて審査を受けることにもなります。新たな住宅ローンを組む際にかかる諸経費や返済中の住宅ローン完済時の一括繰り上げ返済手数料、抵当権解除にかかる費用も合わせて考えましょう。
控除額が変わる可能性も考慮する
住宅ローン控除は自宅の購入時だけでなく、要件を満たせばリフォームにも使用できます。2022年1月1日から2025年12月31日までにリフォームした場合、ローン残高の0.7%(最大で2,000万円まで)を10年間控除可能です。
控除額は10年間で最大140万円となります。しかし、住宅ローンに加えてリフォームローンを利用する場合や住宅ローンの借り替えを行った場合は、返済金額や返済期間が変わります。そのため、控除額が変動する可能性がある点は知っておきましょう。
借り換えの場合は金利に注意する
借り変えを行う場合は、より低い金利のローンに借り換えることで、月々の返済金額を減らせる可能性があります。そのため、できる限り低金利となっているタイミングで借り換えを行いましょう。
住宅ローンについて詳しく知りたい方は次の記事もご覧ください。
内部リンク: https://www.nichidensya.co.jp/useful/loan/1964/
内部リンク:https://www.nichidensya.co.jp/useful/loan/2450/
まとめ

住宅ローン返済中の追加融資は原則として認められていません。しかし、リフォームローンや借り換えを行えば、追加融資を受けられる場合があります。
ただし、新たに諸費用がかかるといった注意点や返済シミュレーションを行う必要があります。そのため、追加融資を検討する際は、入念に返済計画を立ててから利用しましょう。