不動産担保ローンに通らない理由は?審査に落ちる原因と対策を解説

不動産担保ローンに通らない理由は?審査に落ちる原因と対策を解説

不動産担保ローンは不動産を担保にするため、高額な借り入れが可能です。また、返済期間を長く設定できるため、長期的な返済計画も立てやすいといえます。しかし、審査に落ちて融資を受けられないという経験をした方も多いのではないでしょうか。

不動産担保ローンに通らない理由には、物件の担保価値や信用情報、返済能力、物件の権利関係などさまざまな要因があります。本記事では、審査に落ちる原因や金融機関による基準の違いをみていきましょう。具体的な対策も紹介するため、資金調達の参考にしてください。

不動産担保ローンに通らないときの主な9つの理由

ここでは、不動産担保ローンに通らない主な9つの理由をみていきましょう。一つずつ見直し、改善できるところから取り組むことが大切です。

他社からの借り入れが多い

住宅ローンやカードローンなど他社からの借り入れが多い場合は、収入に対しての返済割合が高くなります。また、金融機関では他社からの借入件数と金額を確認します。

そのため、他社からの借入金額が多いほど、ローンが返済できなくなるリスクが高いと判断される点は知っておきましょう。

本人の収入が不安定

申込者に安定した収入があるという点も不動産担保ローンの審査における重要なポイントです。申込者が就業していたり、自営業でも長期間にわたって利益を出していたりすれば、審査で不利になることはありません。

しかし、非正規雇用やフリーターの場合は、収入が不安定とみなされ審査に落ちることがあります。

信用情報の問題がある

信用情報機関に延滞や債務整理などの記録がある場合、ローン審査に影響する可能性があります。

・【延滞情報】住宅に限らず、何度も支払いを延滞したことがある
・【異動情報】自己破産や個人再生といった債務整理の履歴や3カ月以上の滞納がある

信用情報の記録はおよそ5年、異動情報に関しては5~7年間記録が残るため、情報が消えてからでなければ、審査に通るのは難しいといえるでしょう。

税金や社会保険料の未納がある

税金や社会保険料を滞納している場合、不動産担保ローンの審査に影響するリスクがあります。とくに、税金の滞納によって不動産に差し押さえ登記がされている場合、金融機関から返済リスクが高いと判断されます。そのため、融資を受けるのが困難です。

不動産の担保価値が低い

担保とする土地と建物の評価が低ければ、金融機関から不動産を売却しても融資した金額を回収できないと判断されます。そのため、担保価値が低い場合には、融資額が下げられたり、審査に落とされたりするケースも珍しくありません。

違法建築物など評価対象外の物件である

担保にする不動産によっては、以下のように審査に通らないケースがあります。

・違法建築物となっている
・建築基準法などの関係から金融機関が担保価値を適切に評価できない
・再建築不可物件や法令上の問題がある

売却しにくい不動産は担保評価が低くなったり、担保として認められなかったりする場合があるため注意しましょう。

別の金融機関の担保になっている

不動産が別の金融機関の担保とされているケースでは、新しい借り入れにおける抵当権は二番抵当以下となります。二番抵当以下は、返済の対象となる確率が低いため、金融機関によっては融資を受けられません。

仮に、融資要件を満たしていても、不動産の価値が高く、充分に返済が見込めると判断されなければ審査に通るのは困難です。

名義人である親族の同意が得られない

自分以外の親族が所有する不動産を担保にして借り入れを申し込む場合、原則として不動産の名義人から担保提供について同意を得る必要があります。

名義人の同意が得られなければ、金融機関が抵当権などの担保権を設定できないため、融資を受けるのは困難です。また、共有名義の不動産の場合、共有者全員の同意が必要になるケースもあります。

申し込み書類の不備や情報の虚偽がある

申し込み書類に不備がある場合は、返済能力が正確に判断されなくなるため、審査に通りにくくなります。また、虚偽の情報は金融機関からチェックされることに加え、人物的な信用度が低くなってしまいます。そのため、審査の申し込みでは虚偽の情報の記載は避けましょう。

不動産担保ローンの主な審査基準

ここでは、不動産担保ローンの審査基準をみていきます。

申込者の返済能力

申込者の返済能力に関しては、次のような項目が審査されます。ライフスタイルやこれまでの事業成果なども評価対象となる点は知っておきましょう。

・収入と返済負担率
収入が多いほど、信用力が向上します。しかし、審査では、金額だけでなく返済負担率(毎月の収入におけるローン返済額の割合)を意識しなければなりません。返済負担率が高いほど評価は悪化するため、審査に通りにくくなります。

・勤続している年数
勤続年数は長いほど信用力が向上します。また、安定的に収入が得られていると判断されやすくなるため、審査に有利だといえるでしょう。

・年齢
不動産担保ローンは、10年や20年など返済期間が長いものが多いため、ローン完済時の年齢が重要になります。完済時年齢が高ければ高いほど、収入が不安定になると判断されるため、計画的な申し込みが大切です。

・他社からの借り入れ状況
金融機関では他社からの借り入れ状況も確認されます。借入金額だけでなく、借り入れしている金融機関が多いほど、審査が通りにくくなります。そのため、審査のタイミングではできる限り借入金額を減少させる、借り入れを行っている金融機関を減少させるのが有効です。

・法人は事業の安定性
法人の場合は事業年数や内容、将来性、過去数年分の決算内容などが審査されます。事業年数が長く安定している事業者と判断された場合は、審査に有利になるといえるでしょう。

土地や建物の担保価値

土地の担保評価では、次のような公的な地価・評価額などが参考になります。

・国土交通省が算出した公示地価
・都道府県が算出する標準地価
・国税庁が算出する路線価
・市町村が評価した固定資産税評価額

金融機関では、上記の算出基準を組み合わせて評価を行うものの、評価条件で重要視するポイントは各金融機関で異なります。

建物の評価額は、次の計算式で求められることが多いことも知っておきましょう。

・再調達価格(同じ建物を購入するための必要額)×延床面積×残存年数(法定耐用年数から築年数を引いた年数)÷法定耐用年数(税法上の減価償却の計算で何年耐久可能か)=建物の評価額

建物の担保評価では、再調達価格や延床面積、築年数、構造などを考慮した評価方法が用いられる場合があります。ただし、具体的な評価方法は金融機関によって異なり、法定耐用年数を超えた建物でも必ずしも評価額が0円になるとは限りません。

銀行とノンバンクの審査基準の違い

不動産担保ローンは、金融機関によって審査基準が異なります。銀行では、安定した収入や信用情報、返済能力などを重視する傾向です。

一方、ノンバンクでは、不動産の担保価値や返済見込みなどを含めて総合的に判断する場合があります。銀行で審査に通らなかった場合でも、ノンバンクなら融資を受けられる可能性があります。

ただし、ノンバンクでも返済能力や信用情報、担保価値などは審査されるため、自分の状況に合った金融機関を選ぶことが大切です。

不動産担保ローンに通るためのポイント

ここでは、不動産担保ローンに通るためのポイントをみていきましょう。

担保となる不動産の条件を確認する

物件名義が共有されていたり、物件自体の借地や土地の権利関係が複雑だったりする場合は、審査に通りにくいため、名義から見直しましょう。土地の権利に関しては、法律の専門家への相談も必要となる可能性があります。

取り扱いエリアを確認する

不動産担保ローン会社が取り扱い可能なエリアに不動産があるのかを事前に確認しましょう。申し込み予定の金融機関が対応できないエリアである場合、始めから選び直す必要があります。

事業計画と返済計画を入念に立てる

法人・個人事業主では、事業計画や返済計画の提出が必要になる場合があります。事業計画では5年ほどの「売上」「利益」などを算出したうえで、目標達成のための具体的なアクションを記載しなければなりません。

返済計画には、現在返済中のローン返済額も考慮しつつ、返済に必要な資金を準備する計画や完済計画を記載することが大切です。詳細に解説できるような計画書を作りましょう。

提出書類の不備をなくし期限を守る

提出する書類の数が多く、役所に行く必要がある書類もあります。そのため、時間に余裕を持って準備・提出しましょう。

不動産担保ローンについて、詳しく知りたい方は下の記事もぜひご覧ください。
https://www.nichidensya.co.jp/useful/real-estate/1779/
https://www.nichidensya.co.jp/useful/real-estate/2420/

不動産担保ローン審査に通らないときの対処法

ここでは、審査に通らないときの対処方法をみていきましょう。現状を把握し、取り組みやすい項目から実施していくことが大切です。

融資希望の金額を減らす

融資希望額が返済能力や不動産担保の価値に見合わないと判断された場合は、審査に通りません。そういった場合には、融資希望額を調整しましょう。返済負担率が低下するため、金融機関の評価改善が期待できます。

担保となる対象不動産を変更

保有者が担保価値の高い不動産と評価していても、金融機関の想定する担保価値と一致するとは限りません。そのため、他に担保となる不動産を所有している場合は、価値の高い物件に変更すると審査に通りやすくなります。

他社の不動産担保ローンに申し込む

審査に通らなかった場合は、半年ほど時期をずらして、他社のローンに申し込みを検討しましょう。同時期に複数の会社でローン申し込みをすると審査への悪影響は避けられません。また、金融機関によって審査基準が異なるため、複数のローンの要件を把握しておけば、他社で審査に通るケースも多いといえます。

不動産担保ローン以外の方法で資金調達する

不動産担保ローンで通らない場合は、他のローンで資金調達を行うことも検討してみましょう。無担保で借りられるローンや公的融資などもあるため、情報を集めて自分に最適な方法を選ぶことが大切です。

不動産担保ローンの申し込みから融資までの流れ

不動産担保ローンの申し込みから融資までの流れをみていきましょう。一般的な申し込みから融資までの流れは、次のような4段階となります。

1.申し込み・必要書類の提出

金融機関へローンを申し込み、本人確認書類や収入証明書、不動産の登記簿謄本など、必要な書類を提出します。金融機関によって必要書類は異なるため、事前に確認しておきましょう。

2.仮審査・本審査(物件の調査・評価)

提出した書類をもとに、金融機関が返済能力や信用情報などを確認します。あわせて、担保となる不動産の所在地や権利関係、売却のしやすさなどを調査し、担保価値を評価されるでしょう。

仮審査の通過後、本審査でより詳しい確認が行われ、最終的な融資額や金利、返済期間などの条件が決定します。

3.契約手続きと抵当権の設定

審査に通過すると、金融機関から融資条件が提示されます。内容を確認して条件に問題がなければ、金銭消費貸借契約などの契約手続きを行います。

不動産を担保にするため、融資の実行にあわせて抵当権の設定手続きも必要です。抵当権の設定には登記手続きが必要となり、司法書士への依頼や登記費用などが発生する場合があります。

契約前には、融資額や金利だけでなく、返済期間、毎月の返済額、手数料なども確認しておくことが大切です。

4.融資の実行

契約手続きや抵当権の設定などが完了すると、指定した口座へ融資金が振り込まれます。
融資後は、契約時に決められた返済条件に従って毎月返済します。返済が長期間滞ると、最終的に担保となっている不動産を売却して返済に充てるリスクがあるため、無理のない返済計画を立てることが重要です。

まとめ

不動産担保ローンに通らない理由は、返済能力や信用情報の問題だけでなく、不動産の担保価値や権利関係などさまざまです。

審査に落ちた場合は、借入希望額や担保物件を見直し、別の金融機関への申し込みや他の資金調達方法も検討しましょう。無理のない返済計画を立て、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

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