【簡単解説】消費者金融とは？メリット・デメリットや他の金融業者との違いを紹介

消費者金融は、金融機関の一種です。銀行や郵便局とは異なり、預金システムのない、お金を貸すことに特化した金融機関です。急な出費の際にお金を借り入れることができるので、お金に困ったときに利用すると便利な金融サービスです。

初めて消費者金融を利用する方の中には、どのような仕組みでお金を借りられるのかをご存知でない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、消費者金融のメリットやデメリットについてみていきましょう。

消費者金融とは？

消費者金融は、一般消費者を対象に融資し、金額に合った「利息」を得て運営している貸金業の会社です。貸金業は、貸金業法第3条に基づいて内閣総理大臣、または都道府県知事に登録した上で運営を行うことができます。もしも登録していないのに貸金業務を行った場合、違法となり刑罰を受ける対象となります。

貸金業法に基づいて登録している消費者金融の会社であるかを調べるには、登録したときに発行される登録番号を確認するという方法があります。金融庁の公式サイトにある登録貸金業者情報検索を利用して、登録番号を含む必要な情報を入力すれば照会できます。

一般消費者が消費者金融に融資を希望するときは、審査を通過する必要があります。銀行などの金融機関でも融資を受けるための審査があり、厳しい内容となっていますが、消費者金融の審査内容は簡素化されており、審査内容の条件を満たしていれば誰でも融資を受けられます。また、消費者金融の店舗に行かなくても、無人契約機やインターネットで申し込んで審査を受けることが可能です。

銀行などの金融機関では融資するお金の用途が問われます。しかし、消費者金融の審査では、融資するお金の用途に対する答えがどのようなものであったとしても審査にほとんど影響がありません。ただし、ギャンブルなどを理由に融資を希望した場合は、審査を通過することが難しくなります。また、銀行などの金融機関で融資を希望する場合、担保や保証人などが必要です。しかし、消費者金融だと担保や保証人が不要です。ただし、金利がやや高めに設定されており、借入限度額も少なめに設定されています。

消費者金融を利用する際は、信用情報機関に登録されます。信用情報機関には、登録された消費者のローンなどの過去に借り入れした情報が記録されています。万が一、返済を滞ってしまうと信用情報に記録されて今後の金融商品の利用が厳しくなります。

消費者金融ではいくらお金を借りられる？

消費者金融でいくらお金を借りられるのかをみていきましょう。

年収の3分の1までしか借り入れできない

消費者金融では、貸金業法が適用されます。基準として、過剰な貸付を抑制するために住宅ローンを除いた総借入残高が年収の3分の1を越えてしまう利用者への貸付が禁止となる総量規制が適用されています。

総量規制は、消費者が無理な貸付によって返済できなくなることを予防する仕組みです。複数の貸金業者から借入を行っている場合、全ての貸金業者からの借入額の合計が規制対象となります。

信用情報によって変動する

信用情報とは、クレジットカードやカードローンといった契約や返済履歴などに関する個人情報です。滞納や延滞などの情報も確認されるため、信用情報の状態によって借りられる金額が変動します。

また、信用情報は審査項目であるため、信用情報に問題があると融資が受けられない可能性があることは把握しておきましょう。

利用条件

消費者金融を利用するためには収入の条件、年齢制限の2つの利用条件を満たす必要があります。具体的にみていきましょう。

収入の条件

継続して安定した収入や返済能力があるかどうかも審査における重要な項目です。公務員や会社員、パートやアルバイトといった雇用形態も審査のタイミングで確認されます。

たとえば、公務員や会社員は収入が安定していると判断されやすい傾向にあります。対して、アルバイトやパートといった非正規雇用でも借入は可能であるものの、収入が安定していないと判断されるケースがあるでしょう。

そのため、収入面は金額だけでなく、雇用形態も一つの審査基準である点には注意が必要です。

年齢制限

それぞれの消費者金融では、申込できる年齢について制限を定めています。18歳や20歳から申込可能となっており、上限年齢を設けている場合は70歳前後までとしているケースが多くなっています。

消費者金融と他の金融業者との違い

ここでは、消費者金融と他の金融業者との違いをみていきましょう。

消費者金融と銀行融資・銀行カードローンの違い

消費者金融は主に個人向けの融資を行っており、銀行融資・銀行カードローンは主に法人向けの融資を行っています。また、消費者金融では貸金業法が適用されるのに対し、銀行には銀行法が適用されています。

銀行では総量規制が適用されないものの、総量規制に準じた規制を自主的に実施していることが特徴です。

消費者金融と銀行カードローンについて詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。

消費者金融と銀行カードローンの違いは？気になる金利や期間など比較解説 | | ニチデン

消費者金融とクレジットカード会社の違い

クレジットカード会社が提供しているクレジットカードは、キャッシング枠が設定されているケースもあります。キャッシング枠の利用でお金を借りることが可能です。
しかし、消費者金融と比較すると借入額は少なめで金利が高い傾向にあります。

消費者金融とヤミ金（闇金）の違い

消費者金融とヤミ金は混同されるケースもあります。しかし、消費者金融は貸金業者として登録されており、法律に従って運営されている事業者です。対して、ヤミ金は貸金業として財務局や都道府県に登録を行っていない違法業者といえます。

ヤミ金は「審査不要」と謳っているケースがあるものの、違法な金利で融資が行われる可能性があります。リスクが大きいため、ヤミ金の利用は避けましょう。

消費者金融のメリット

ここでは、消費者金融のメリットをみていきましょう。

申し込みから借り入れまでの時間が短い

消費者金融は最短即日で融資を受けられる可能性があります。銀行と比較すると申し込みから借り入れまで時間が短いため、早くお金が必要なときは利用を検討してみましょう。

返済の自由度が高い

銀行では、返済日が指定されるケースが多い傾向です。対して、消費者金融は複数の返済日から選択でき、自由に返済日を指定できるなど返済の自由度が高い点がメリットといえます。

消費者金融のデメリット

消費者金融のデメリットをみていきましょう。

上限金利が高い傾向にある

消費者金融は融資スピードが速いものの、銀行と比較すると上限金利の設定が高めであることは把握しておきましょう。

中小の消費者金融は金利が低い場合も

中小の金融機関では、無利息期間を大手の消費者金融よりも長く設定しているなど、低い金利で借りられる場合があります。

中小消費者金融について詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
中小消費者金融とは？大手との違いや闇金との見分け方を解説 | ニチデン

総量規制がある

消費者金融は総量規制の対象となるため、借入残高が年収の3分の1を超えると新たな借入ができません。

総量規制について詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
借入を制限する総量規制。対象取引や対象外・除外・例外取引を解説 | ニチデン

より安全に！法整備が進んだ消費者金融

以前の消費者金融の業界には、グレーゾーン金利が存在しました。高い金利に設定していたり、過度な取り立てをされたりと社会問題になりました。しかし、2010年6月に改正貸金業法が施行され、貸金業の法設備が進みました。その結果、利息制限法の上限金利が無効となり、法定金利を超える金利で契約したときは刑罰の対象になるようになりました。また、過剰なお金の貸付を抑制するために住宅ローンを除いた総借入残高が年収の３分の１を越えてしまう利用者への貸付が禁止となる総量規制や、返済能力を調査する義務などが消費者金融に課されるようになりました。

そのため、現在消費者金融からお金を借り入れする場合、借入限度額が100万円未満だと金利が18％、100万円以上だと金利が15％の上限金利が基本になっています。また、現代の消費者金融には、低金利で借り入れできる会社も増えてきています。できるだけ金利の負担を抑えたいと考えているのなら、消費者金融の利息について確認しましょう。

貸金業法について詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
貸金業法とは？お金を借りる際に知っておきたい内容とポイントを解説 | ニチデン